城崎温泉の由来と入湯の心得
まんだら湯
城崎温泉は、今を去る千三百年の昔(養老年間)地蔵菩薩の化身と云う道智上人により開かれた霊湯です。
道智上人がこの城崎に巡錫され当所鎮守四所明神に参籠の折りその神託により一千日の間、八曼荼羅の秘法を修し城崎温泉を開発されました。誠に神仏の霊験加護の名湯であります。
その後、道智上人は永く温泉が栄える様にと城崎温泉の守護寺として温泉寺を開創されました。
往昔城崎温泉に入湯の諸人は先ず温泉寺道智上人の霊前に参拝して湯杓を授かりこの湯杓は道智上人のお手であり、また本尊十一面観音、薬師如来の尊きお手にて湯浴みすると心得、南無道智上人、南無観世音菩薩、南無薬師如来といく返となく唱えて頭より全身に湯を浴びるようにと住職がさとして授与したという。
温泉寺伝承の古式入湯作法は、手拭に示す通りであります。
心身の安祥を祈ってご入湯下さい。
末代山 温泉寺 山主 敬白
- 尚、今時は衛生上の問題等により湯壷の湯を口にする事は奨励致しません。
- 湯杓は入湯後に道智上人の霊前に奉納するのが本義ですが、城崎温泉入湯記念にお持ち帰り頂いて結構です。
城崎温泉 古式入湯作法
道智上人の霊前に参拝し、懇ろに祈祷をしたお手代わりの湯杓と入湯作法を授かった後に外湯に向かう事。
先ず、湯壺に至って偈を唱う
沐浴身體(もくよくしんたい) 當願衆生(とうがんしゅじょう)
内外清浄(ないげしょうじょう) 身心無垢(しんじんむく)
次、 温泉開祖道智上人・本尊十一面観世音菩薩・温泉守護薬師如来に感謝をして真言を唱う
南無道智上人。 南無観世音菩薩。 南無薬師如来。
各三遍
次、 先ず湯杓を漱ぎ、次に湯杓の湯を頂く、口を漱ぎ、頭より全身に湯を浴びる
次、 心静かに入湯し心身の安祥を祈るべし。
尚、入湯中に湯杓を湯壺に浸けたりせず丁重に扱う事
入湯を了って後、道智上人の霊前に湯杓を再び奉納し、感謝の誠を申し上げる事
古式入湯作法の手拭い
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手拭は、当山温泉寺または城崎温泉の物産店等でお求めいただけます。
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