温泉寺本堂
城崎温泉を見下ろす山腹に南向きに建てられているお堂です。至徳年間(1384〜87)に温泉寺の中興、清禅法印が造営した五間四面のお堂で、和様、唐様、天竺様の三様式が絶妙に融和した折衷様式の入母屋造りのお堂です。
重厚な屋根のそり、主柱の均衡など建築美につつまれた南北朝時代を代表する建物で、ご本尊十一面観音像をお祀りするに相応しい堂宇といえるでしょう。
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本尊 十一面観音立像
(国指定重要文化財)
(伝 春日仏師 稽文作)
温泉寺のご本尊様、十一面観世音菩薩は、大和(奈良)の長谷寺の観音さまと同木同作の由緒正しき観音様で、
千三百年の歴史を持つ重要文化財の仏様です。
2メートルを超えるどっしりとした力強く、温和なご表情は、我々を温かく見守って下さいます。桧の一木彫の鉈彫りという独特の作風の観音さまで、但馬における仏像の代表傑作といえるでしょう。
33年目ごとのご開帳の秘仏の仏様ですが、毎年4月23・24日の両日、開山忌(温泉まつり)には御開扉があり、ご拝顔をすることが出来ます。
次のご開帳は平成30年の4月23日からの3年間です。
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千手観音立像
(国指定重要文化財)
(伝 弘法大師空海作)
本坊・持仏堂のご本尊さま。一般的な千手観音像が42臂であるなか、現在834臂もの多くのお手をお持ちになった珍しい観音像。桧の一木彫で、平安期特有の温雅で穏やかな柔らかい作風。伏し目がちな丸みを帯びたお顔立ちで、我々を救って下さる仏さまです。 |
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木造四天王像 (県指定重要文化財)
ご本尊を祀る厨子の左右に安置される持国天、増長天、広目天、多聞天(左手に塔を持つ。七福神の毘沙門天)の四体の鎧甲冑姿の仏さま。
四体ともに一木造りで、元々は彩色が施されていた。全体的に穏やかな作風は平安時代後期の仏像に共通する特色をもつ。
四天王は元来インドの神で、仏教に帰依して守護神となった。仏敵を破り、東西南北四方の警護の役を担っている仏法守護の仏さまです。
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